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リバーエレテック(6666 東証ジャスダック)その2

はじめに

以前、記事にしたリバーエレテック(6666)が、2020年10月9日、窓を開けてストップ高となりました(終値1105円)。

この銘柄にいったい何が起こったのか、前記事のおさらいとともに、もう少し、深堀してみたいと思います。

リバーエレテックとは(前記事のおさらい)

どんな会社?

リバーエレテックは、電子部品を製造、販売している会社です。主力商品は水晶振動子で、これは、水晶に電圧をかけると生じる規則的な振動を利用して、無線LAN・スマートフォン・PCと周辺機器の接続などのタイミング制御や時計・電子機器の内蔵時計などに使用される電子部品です。

同社は、2017年から3年間は売り上げが落ち、営業赤字となりました。当然無配です。しかし、営業力の強化や経営合理化に伴う経営体質の改善を推進した結果、2020年3月期には4期ぶりの増収増益となり、復配を検討するまでに回復しました。

さらに、2020年3集の会社四季報(本年6月)によれば、今期(2021年度3月期)の予想営業増益率は驚愕の8300%!具体的には、2020年度は500万円だった営業利益が2021年度は4億2000万円になるという予想が示されています。

会社の各種指標

10月9日現在で、

PER:26.53(実績)

時価総額:81億円

ROE:8.2%

自己資本比率:15.5%

となっています。

株価暴騰の原因は?

①製造ライン増設

同社は、2020年1月28日付の「設備増強に関するお知らせ」にて、中長期的に拡大する次世代通信規格5GやIoT市場のもとで安定した生産体制を構築するため、同社の製造子会社である青森リバーテクノ株式会社において、製造ライン増設等を行う旨のアナウンスがありました。このアナウンスで、同社が5G銘柄であること、同社製品の大幅な売り上げ増が見込まれることが示されたといえます。

②新製品発表

また、同社は、6月5日のニュースリリースで、「GT カット水晶発振器『GTXO-04』」の開発、生産開始と、サンプル出荷対応を発表しました。

この製品は、「-40℃〜200℃の広い温度範囲で高い周波数精度を実現」したもの、とのことです。なんのこっちゃ、という感じですが、私が同業他社のHPで確認した限りでは、水晶振動子が規定の許容偏差内で動作する温度範囲の上限は125℃となっており、200℃で動作が可能なのはこの製品だけのようです。

同社によれば、「幅広い環境下での使用ニーズが高まり、電子部品に要求される温度範囲が高温側に年々拡大する傾向にあります。」とのことで、それに対応する製品を同社だけが供給できるとなれば、引く手あまたとなるのはまちがいないでしょう。

③高い増益予想

先の通り、6月の会社四季報で高い増益予想を出していたことも、買いを集める下地になったと思われます。

④好決算

さらに、8月11日の決算は、会社四季報の予想を裏付けるような好決算でした。

まさにV字回復ですね。なお、このような業績が2021年3月期通年で続いた場合、同社のPERは、株価が1500円になっても18倍程度となります。

⑤ブログ記事

10月に、とあるブログで、同社と、●ップル、●ムスンと思しき企業との携帯用水晶振動子の取引をうかがわせる記事が掲載されました。同ブログによれば、同社のIRに確認したとのことで、事実だとすれば、大きな売り上げ増につながると思われますが、客観的資料に乏しく、真偽のほどはわからないため、参考として紹介するにとどめます。

株価はどこまで上がるのか?

先の④のとおり、直近の同社の決算は、会社四季報の予想を裏付けるものとなっており、通年で四季報通りの決算となれば、株価1500円でPER18倍と割高感はありません。従って、1500円くらいまでは問題なく上昇するとみています。

ただ、同社の株の注意点として、信用買いが極めて多いことが挙げられます(時価総額約80億で92万株超)。従って、1500円を超える水準で、返済売りに押される場面も出てくるかもしれません。

従って、1500円を超えてさらに上昇するかどうかは、同社の業績次第と考えており、具体的には、11月の第2四半期決算に大いに注目しております。私としては、1500円に達した以降は、同社の業績の推移や、信用買いの動向といった需給関係をにらみつつ、対応を考えるつもりです。

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