なぜに暴落？ロコンド（3558・東証マザーズ）

ロコンドってどんな会社？

今回は、ごんすけが保持していた、ロコンドについての記事です。

概要

ロコンドは、靴中心のECサイトを運営する、ZOZOのような業態の会社です。加えて、ECサイト事業の資産を利用したB to B事業として、ECサイト支援も行っています。

同社は広報活動に注力しており、有名なユーチューバー（ヒカルさん）のブランド「リザード（ReZARD）」とのコラボシューズ販売をユーチューブ動画で4月2日に発表、販売開始し、4月3日から約1週間のReZARD売上金額は6億円に達したとの発表がありました。また、同社は、テレビCMからユーチューブ動画に広告媒体を移すことにより、大幅な広告費削減も実現しました。

このような、D to C事業（Direct to Consumer）の業績の伸びに加え、B to B事業である自社公式ECサイトの提供事業（BOEM）の伸びも目立ちます。まさに成長企業の典型と言えます。

指標

10月30日時点の予想PERは23.7倍、時価総額は284億円、自己資本比率は54.7％です。なお、ROEは、2020年度が赤字のため算出できませんが、2021年度は黒字に転換する模様です。

暴落の理由は？

決算

直近の決算である、10月14日付の2021年2月期第2四半期の連結業績（2020年3月1日～2020年8月31日）は以下の通りとなっています。

売上は前年同期比で15％超の上昇、利益も赤字から大幅な黒字転換と、素晴らしい決算に見えます。が、この決算の後、株価は急落しています。一体なぜ？

中期経営計画との乖離

先の2021年2月期第2四半期決算では、通年の同社の売上予想、営業利益予想、純利益予想を、それぞれ100億円、15億円、12億円としています。これに対し、第2四半期の数字は、それらの過半に達していません（売上は48％、営業利益は42％、純利益は37％）。同社が成長企業であることからすれば、クリアする可能性は十分あると思われますが、会社予想未達となる可能性も否定できません。

さらに、同社は、2018年4月13日に発表した中期経営計画において、2021年2月期の営業利益30億円という目標を示していますが、第2四半期の営業利益はその21％に過ぎず、さすがに目標達成は困難であると言わざるを得ません。この辺りが嫌気され、売りを呼んだ可能性があります。

マザーズ暴落

また、一本調子で上がり続け、1350ポイント超を付けていたマザーズ指数が、10月半ばに急落に転じ、10月30日時点では1171.25ポイントとなっています。マザーズ銘柄であるロコンドもこれに巻き込まれたとも考えられます。

米国株式市場の不安定化

さらに、米国大統領選挙を前にし、また、新型コロナウイルス感染者も世界的な増加傾向にある中で、米国株式市場が下げ基調を強めています。これは、機関投資家などがリスクオフに動いたためと思われます。日本のマザーズ市場暴落も、これが原因の一つであったかもしれません。

ごんすけの対応

さて、私はこの銘柄を3000円超で購入していたのですが、暴落を受けて、2500円程度で損切りしました。それは、ロコンドの成長期待は認めるものの、中経の30億円の利益達成はさすがに困難であるところ、同社予想の12億円の純利益、株価2500円での予想PERは25倍と適正な数字であるため、株価が3000円以上に上昇しづらいのではないか、と考えたためです。

もっとも、日本取引所グループのデータによれば、9月末現在、東証1部、2部やジャスダック市場はPER15～25倍程度ですが、マザーズ市場は200倍前後と高騰しているため、ロコンドのPER25倍は大いに割安だ、という見方もでき、今後、大きく買われる可能性もあります。

また、万が一、同社が中期経営計画通りの利益を達成した場合、純利益を会社予想（12億円）の倍の24億円として計算すると、PERは12倍程度になり、一気に割安株となります。こうなると、株価は倍以上に跳ね上がってもおかしくありません。

このように、ロコンドは、損切りしたとはいえ、大きな株価上昇の可能性を秘めた銘柄と言えるので、同社の今後の業績、およびマザーズ市場の進捗をにらんで、状況によっては再び買うことも検討します。