はじめに
今回の記事は、私の持つ個別銘柄のうち、2020年10月~11月に決算発表のあったものの成績表の公表です。なお、以前に8月決算のあった銘柄の成績表を掲載しましたが(2020年8月決算の成績表)、その続きですね。
さて、かわいい手持ち銘柄の成績は?コロナ禍の影響やいかに?さっそく見ていきましょう。
成績表
今回の成績表は以下の通りです。いやーっ、見ないでぇーっ!!
見ないでぇーっ、といいつつ、成績としてはまずまずだったと思います。
それでは、各銘柄を講評していきます。
日本株
リバーエレテック(6666 東証ジャスダック)
まずは、過去に2回、記事にしたリバーエレテック。水晶振動子を主力商品とするメーカーです。銘柄の詳細は記事に譲ります。
増収増益の決算にもかかわらず、決算日の翌営業日において、最初は株価が少し下がりました。売り上げは前年同期比27%増、利益は赤字からのV字回復と、十分に良い決算だったのですが、第2四半期決算において、売上が会社通年予想の過半に達しなかったことがネガティブな要素でしょうか。
ただ、決算日に、「水晶の新しいカット「KoT カットコーティー」を発⾒」と題するIRが示されました。これは従来製品よりも周波数精度の優れた、⽔晶素⼦の新しいカット⾓を発⾒し、特許出願した、という内容で、これを受けて、決算日の翌営業日の終値は10%を超える上昇となりました。
その後は、きつい調整もあり、12月14日現在、株価は1500円を割っていますが、決算で、同社の業績の好調さや、高い技術力を示すIRなどを確認したので、売る理由はありません。しっかりホールドします。
オープンハウス(3288 東証1部)
次に、注文住宅メーカーのオープンハウス。同社も過去記事で紹介しております。
同社は堅調な決算でしたが、大きな増収増益ではなかったため、決算翌営業日の株価に変化はありませんでした。
しかし、11月25日付でSMBC日興証券が目標株価を4300円から4500円に引き上げ、これを受けてか、12月初旬には4265円まで株価が上昇しました。
その後、株価は調整し、12月14日現在、4000円を割っていますが、SMBC日興証券の評価の通り、4500円くらいのポテンシャルはあると考えていることから、しっかりホールドします。
アートスパークホールディングス(3663 東証ジャスダック)
同社は初めて本ブログに登場する会社ですね。クリエイターサポート事業(イラスト制作ソフト「CLIP STUDIO PAINT」をサブスクリプション課金モデルで提供)と、UI/UX事業(車載向けソフト)が事業の2本柱です。株は8月に購入しました。
UI/UX事業はコロナ禍で減収減益も、クリエイターサポート事業は、前年同期比で売上15.8%、営業利益159.8%増となっております。
一方、成績表では、同社の成績は「増収減益」となっていますが、これは、純利益が、子会社ののれんの減損損失を特別損失として計上したことなどにより減益となった結果であり、一時的なものに過ぎません。
さらに、決算日に公表された中期経営計画では、2025年12月期に、2020年12月期対比で売上高2倍、営業利益8倍を達成する、との指針が示され、これを受けて株価は大きく上昇しました。
同社は、ボラティリティが大きな銘柄で、大きな下げに見舞われることがままあり、また信用買いも多く、上値が抑えられることも多いのですが、クリエイターサポート事業は極めて成長期待が大きく、また、UI/UX事業も、2021年は、自動車業界の復調に伴う回復が見込めることから、このままホールドします。
ひらまつ(2764 東証1部)
同社は、高級レストラン、レストランウエディング、高級ホテルを展開する会社です。業務内容から推測されるとおり、コロナ禍の直撃を受けております。
では、決算はどうかというと…本来は11月16日の予定であったのが、12月16日に延期されたため、記載しておりません。これは、ひらまつと、ひらまつ総合研究所(平松グループの営業コンサルティングを受託していた会社のようです。以下、「ひらまつ総研」といいます。)間の、業務委託契約の解約と未払い報酬をめぐる紛争に関し、ひらまつ総研から訴訟提起されたのを受けて、契約を精査したところ、会計上の問題が発見されたため、とのことです。
また、これに先立つ9月には、ひらまつの業務用パソコンにウイルス感染が生じ、商品のネット販売を中止したということもあり、まさに踏んだり蹴ったりの状況です(顧客情報の漏洩はなかったとのこと)。
ただ、すでに株価は大きく下げており、これらのネガティブなニュースがあっても、もはや株価はほとんど反応しません。よって何があっても怖いものなし。私がここを保有するのは個人的な思い入れからなので当然ホールドします。がんばれひらまつ!
米国株
台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSM ニューヨーク)
同社は、世界最大の半導体生産受託会社(ファウンドリー)で、クアルコムやAMD、ファーウェイなど、名だたる半導体関連企業が同社の顧客となっております。
直近の決算は、前年同期比で売上21.6%、営業利益39.1%増という素晴らしい内容でしたが、決算直後は株価は上昇しませんでした。しかし、その後、株価は上昇に転じ、決算時は$80台だった株価が、12月14日現在は$104となっています。
懸念としては、米国のファーウェイ制裁に伴い、同社も主要顧客であるファーウェイへの出荷停止を余儀なくされていることですが、半導体は、5G、自動運転など、あらゆる旬のテーマで必要とされるものであり、また、工場を持たないファブレス半導体業者にとって、同社は欠くことのできない存在であることから、2021年も成長は続くと見ます。よって、しっかりホールドします。
グロウジェネレ-ション(GRWG ナスダック)
同社は、米国の園芸用品サプライヤーで、水耕栽培等の専門店を運営。コロナ禍でのオーガニック食品の栽培や、大麻関連で成長中の会社です。なお、米国では、州によっては大麻は合法とされています。ここの株は8月に購入しました。
決算の結果は、前年同期比で売上252.6%、営業利益450.8%増という素晴らしいもので、株価は大きく上昇しました。
同社の事業は、家庭での園芸用品販売という性質上、コロナ禍の影響を受けにくいと考えられる一方、コロナが追い風になっている、というわけでもないので、ワクチン普及後の下落のリスクも低いと考えます。かつ、民主党は大麻に比較的寛容であるため、バイデン政権誕生は同社にとって追い風でもあります。よって、今後も期待してホールドします。
テスラモータース(TSLA ナスダック)
この会社は紹介するまでもないですね。かの有名なイーロンマスク率いる世界的な電気自動車メーカーです。株は10月に購入しました。
決算結果は、前年同期比で売上139.2%、営業利益309.6%増という素晴らしいものでしたが、株価は動きませんでした。しかし、11月16日に、同社がS&P総合500種指数に採用されると公表されたのを受けて、同日の終値$408から急騰を続け、12月8日には終値$649に達しました。その後、公募増資の公表で売り込まれ、一時的に$600を割るも、現在は$600を少し超える株価となっています。
同銘柄は、株価の予測が難しく、この銘柄に挑んだ空売り機関の多くが焼かれております。トヨタの30分の1程度の生産台数であるにもかかわらず、時価総額はトヨタを超えており、バリュエーション的に高すぎるともいわれている一方、クリーンエネルギー関連銘柄であることから、民主党政権誕生は追い風と考えられます。個人的には、S&P採用で上昇した今が売り時のようにも思えるのですが・・・世界におけるクリーンエネルギー普及の進捗を見たうえで、来年の早い段階で売却するかどうかを判断するつもりです。
総評
今回の決算は、決算発表が延期されたひらまつを除く6銘柄のうち、5銘柄は増収増益で、そのうち2銘柄は決算後の営業日で株価上昇し、株価上昇のなかった他の銘柄も横ばいにとどまり、株価を下げたものはありません。また、唯一、増収減益だったアートスパークホールディングスも大幅な株価上昇でした。以上より、好成績といってよいのかなと思います。よって、現在の保有銘柄はすべてホールドの予定です(ただしテスラは早い段階で売却するかも…)。マイ銘柄たちの2021年の躍進に期待。
おまけ:前記事「2020年8月決算の成績表」で紹介した後に売却した銘柄等について
前記事で、ホールドするといったにもかかわらず、その後、ほどなくして売却した銘柄や、前記事作成後に購入—売却した銘柄につき、売却理由(いいわけ)をつらつら書きます。
協和エクシオ(1951 東証1部)
5G銘柄で、好業績なのに低PERという優良銘柄ですが、いかんせん上値が重く、資金を他の銘柄に振り向けた方が有益と考え、9月に売却しました。
ラクス(3923 東証マザーズ)
9月に2対1の株式分割発表があったのを受けて株価が上昇し、十分に利が乗ったことと、PERが100倍を超え、さすがに天井が近いと思われたことから、買値から70%上昇したあたりで売却しました。しかし、その後も同社の株価は上昇を続けました。売却の判断は少し早まったかもしれません。
ロコンド(3558 東証マザーズ)
この銘柄は以前に別記事で紹介しております。靴中心のECサイトを運営する成長企業で、売り上げ、利益とも伸びていますが、同社が中期経営計画で示した数字の達成が困難となったことから、中経期待の投資家が離れて株価が下がったものと思われ、私も損切りしました。当初の期待値が高すぎたための下げで、しばらくは反転は難しいのではないかと考えます。
ズームインフォ・テクノロジーズ(ZI ナスダック)
8月は好決算だったにもかかわらず、買値から10%以上値を下げたこと、Seeking Alphaという金融メディアでネガティブな記事(同社の提供する情報はインターネットでも収集可能、などといった内容)が出たこともあり、8月売却しました。しかしその後、株価は上昇。もう少し待ってもよかったかな。
ロイヤルティ・ファーマ(RPRX ナスダック)
別記事で銘柄解説しています。ここは良い銘柄だと思うのですが、いかんせん上値が重く、資金を他に回したかったので、10月に売却しました。業態的に短期で大きく上げる銘柄ではないかもしれません。
ズームビデオコミュニケーションズ(ZM ナスダック)
皆様ご存じ、Web会議ツールを提供するZoomの登場です。前記事には掲載しておりませんでしたが、9月に購入し、11月に手放しております。
欧米でコロナウイルスの第2波、第3波ともいわれる流行が広がる中、投資妙味ありと考えて購入。しかし、10月後半から11月前半にナスダック銘柄が下げ続け、ここも大きく下げたので、利益がなくなる前に薄利で売り。しかし11月後半は値を戻したので、結果的には早まったかもしれません。ただ、コロナ銘柄の代表であり、コロナワクチンの接種も始まった今後、この銘柄の株価上昇はそろそろ終わる可能性が高いので、購入するつもりはありません。
ファイバーインターナショナル(FVRR ニューヨーク)
フリーランスと注文者を仲介するプラットフォームを運営するイスラエルの成長企業です。Twitterで情報を入手し購入しました。前記事には掲載しておりませんでしたが、10月に購入し、11月に手放しております。
ギグエコノミーが世界的に広がりを見せている昨今、同社には成長性があると考え投資しました。しかし、株価がかなり上がった段階での投資であったことに加え、ズームと同様、10月後半から11月前半のナスダック銘柄暴落の時期に、ここも(ナスダック銘柄ではないけど)大きく値を下げたので損切りした次第。しかし、完全に底値で売ってしまったようで、その後、株価は、私の買値を超えて大きく上昇しました。まあ、こんなこともあるさ。
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