今、私の投資のベースとなっているのがこの本です。この本の投資スタンスをざっとまとめると以下の通り。
①成長株(グロース株)投資
ミネルヴィニは、売上高や利益の成長と、それに伴う株価の上昇が早く、大きい成長株の多くは、新規株式公開から間もない、中、小型株である、としています。これは、まあ、そうでしょうね。成熟した大企業がさらに高成長~株価上昇、というのは考えにくいですから。アマゾン(AMZN)などは稀有な存在なのでしょうね。
②順張り投資
ミネルヴィニは、下げ局面で買う逆張り投資、底値拾いはするべきでない、というスタンスです。株価の変化を、底固め局面(第1サイクル)、上昇局面(第2サイクル)、天井圏(第3サイクル)、下落局面(第4サイクル)4つのサイクルに分け、第2ステージの早い段階で買うべし、とのこと。後知恵によらず、その局面を見極めるのが難しいのですが、ミネルヴィニは本書の中で、その見極めについても多くの頁を割いています。
③高PERは気にしない
価値あるものは高い、ということですね。その通りなのだろうけど、高PER株に買い向かうのは、なかなか度胸が要ります。私は、正直、この点はあまり実践できていないかな。
④損切は絶対
私が一番苦手なのがこれで、10年来、今一つ、投資パフォーマンスが上がらない原因となっています。この点は意識的に本書に従って実践したいところ。
⑤EPS(一株当たり利益)の利益率重視
ミネルヴィニは、「過去2~3四半期の増益率が40~100%以上の会社を見つけることを目指そう」と本書の中で述べています。加えて、売上高も高成長が加速している、増収増益銘柄を探すことを推奨しています。
⑥ファンダメンタル・テクニカルともに重視
ミネルヴィニは、買いや売りのタイミングを計る上で、上記②のどのステージにあるかの見極めを重視しますが、そのためのツールとしてチャートを重用します。一方、上記⑤の通り、会社の利益に重きを置いています。前者はテクニカル分析、後者はファンダメンタル分析の手法ですね。私は従来、テクニカルは重視していなかったのですが、最近は遅ればせながら、MACDやボリンジャーバンドなども使用するようにしています。
この本の手法をベースにしたとしても、すべて実践できるかというと、正直なところ自信はないかも。例えば私の場合、損切りの徹底などは、つい例外を設けたくなることしばしばで、それがかえって奏功したケースも過去にあるので悩ましいです。ただ、私にとって、行き当たりばったりに近かった投資に、一つの指針を与えてくれた本ではあります。成長株投資という手法を徹底した書籍として、割安株(バリュー株)投資派の投資家にも参考になるのではないかと思います。