個別銘柄

2020年8月決算の成績表

はじめに

今回の記事は、私の持つ個別銘柄のうち、2020年8月に決算発表のあったものの成績表の公表です。

コロナでも下げない(と思われる)銘柄を選定してポートフォリオを組んだつもりですが、果たして成績は?なお、私は、決算前の株を原則として売らない方針なので、成績発表の対象となるすべての銘柄は決算跨ぎしています。

成績表

これが今回の成績表です。キャー恥ずかしーっ!

それでは、反省を兼ねて、銘柄ごとに講評していきます。

日本株

ワイヤレスゲート(9419 東証1部)

最初の銘柄は、以前に個別銘柄の紹介で登場しましたワイヤレスゲートです。

主力のB to C事業は以前から冴えないものの、5Gやリモート関連事業にタッチしており、少しは期待していたのですが、売り上げ、各利益ともに前年同期比を下回りました。

特に、期待していた子会社(LTE-X社)のB to B事業の売り上げが前年同期比で6割以上も落ち込んでおり、期待外れもよいところ。

というわけで、監視用に持っていた100株をすべて損切りしました。

リバーエレテック(6666 東証ジャスダック)

このリバーエレテックも、以前に紹介しております。

こちらの銘柄は、前年度が赤字であり、業績のV字回復を期待していたところ、スマートフォン向けの水晶デバイスの引き合いが好調とのことで、期待通りの好決算となりました。

決算は前場終了後にあったのですが、好決算を受けて後場の株価は4%ほど上昇。ところが、翌日には6%も下げ、その後もずるずると下げ続けています。

業績的には下げる要素は皆無のはずですが、この銘柄の特徴として、信用買いの多さがあり(8月24日現在で87万株)、これが頭を押さえつけているのかと思います。何しろ、信用買いの場合、損してでも6か月以内に売らないといけないので、少し上がると売られてしまいますから。日々の出来高が少ないと、どうしても下がってしまいますね。

とはいえ、業績の好調さは裏付けられたので、気にせずにホールド継続します。

ラクス(3923 東証マザーズ)

こちらは、IT人材の派遣と、業務支援のクラウド事業(中小企業の経費精算や販売管理、また顧客からの問い合わせ対応やマーケティングの支援)を展開する会社です。

クラウド事業は、今はやりのSaasという業態で、コロナに関係なく月額課金が収益となるビジネスモデルのため、前年同期比で35%を超える増収となっています。

また、IT人材派遣事業は、コロナ禍により稼働率が低下したものの、エンジニア数が増加しており、30%近い増収でした。

その結果、前年同期比で増収増益を達成しております。

ただ、その割には、決算直後の株価の上昇幅は控えめでした。これは、好決算がある程度織り込まれていたことと、決算時のPERが90倍を超えていたことにあると思われます。典型的なグロース銘柄ですね。

しかし、決算終了からこの記事の作成までの間に、300円以上株価が上がっており、市場の評価は高い模様。当然ホールドします。

ひらまつ(2764 東証1部)

同社は、フレンチ中心の高級レストラン、レストランウエディング、高級ホテルを全国に展開しております・・・って、どれもコロナ禍直撃じゃん!

まさにその通りで、決算は、前年同期比がどうのというより、10億円を超える赤字に沈んでおります。

そもそも、コロナ禍なんだからもっと早く手放すべきでしょ、との突込みが聞こえそうで、投資戦略としては全くその通り。ただ、ここにはいささかこだわりがあり、キャピタルゲイン度外視で、優待目的(飲食等2割引)で保持しております。というわけで、売るつもりはありません。がんばれひらまつ!

オープンハウス(3288 東証1部)

オープンハウスも以前紹介しております。

コロナ禍では、不動産セクター銘柄がかなり売られましたが、同社も例外ではありませんでした。しかし、5月の決算が増収増益であったこと、および、同社は、コロナ禍の影響に関する情報を頻繁に出していたところ、それらを見て、業績に影響なし、と判断できたことから、むしろ買い増しておりました。

その結果、今回の決算では、売上は前年同期比6%弱の、経常利益は56.1%、純利益は71.1%の、増収増益となりました。

ただ、決算日翌日の株価はほぼ横ばいでした。これは以下の2つの理由によるものと思われます。

まず、同社は、リモートワークに適した住宅の引き合いが強く、仲介契約件数が前年同期比で大きく増加している、との情報を出しておりましたが、その割には売上が小幅な上昇に留まったことがあるかと思います。

しかし、売上として計上されるのは、仲介契約の時点ではなく、売買契約ないし引き渡しの時点なので、売上の上昇は次の決算に反映されると思われます。

次に、大幅な増益ですが、これは、プレサンスコーポレーション(3254 東証1部)をディスカウント価格で取得したことによる、いわゆる「負ののれん」によるものであることが評価を下げた可能性があります。

確かに、今回の増益が会社の実力を示しているとはいえないかもしれません。ちなみに、かつてライザップが過大評価されたのも、この「負ののれん」のせいです。

また、買収先のプレサンスコーポレーションは、2021年度は大幅な減収減益予想で、さらに同社には、2019年12月に創業者社長が業務上横領で逮捕されたという負の遺産もあります(だからディスカウント価格で買えたんでしょうが)。

しかし、プレサンスコーポレーションは、2020年3月期までは増収増益が続いていて、この点、ライザップが赤字企業を60社以上も買収したのとは異なります。また、この買収で、オープンハウスは、手薄であった西日本進出の足掛かりをつかんだのは間違いないと思われます。

実際、決算直後は冴えなかった株価も、本記事作成時点では200円ほど上昇しております。よって、期待してホールドいたします。

協和エクシオ(1951 東証1部)

同社は、電気通信工事の大手で、光ファイバーケーブル網の敷設や、サーバーによるネットワークの構築等を手掛ける会社です。5G基地局の設置にもかかわる5G関連企業であり、また、ひふみ投信の上位組み入れ銘柄としても知られています。

決算では、前年同期比で売り上げは15.7%、経常利益は31.2%、純利益は31%という好業績を発表し、それを受けて、決算日翌日の株価は4%弱上昇しております。

好業績の割には、もう一つ反応が鈍いですね。ただ、同社は、派手さはないものの毎年しっかり利益を出している堅調な企業であり、近年は5Gの追い風も受けています。さらに、PERも14倍ちょっとと低く、株価の上昇余力は十分にあると思われるので、しっかりホールドします。

米国株

ズームインフォ・テクノロジーズ(ZI 米ナスダック)

同社は、営業、マーケティング、人材発掘、顧客開拓などに必要なソリューションをSaaSベースのサービスで提供する、今はやりの業態の会社で、2020年に上場したばかりです。なお、リモートワーク銘柄のズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(ZM.ここも以前は保有していました)とは無関係です。

そして、決算は増収増益で、かつコンセンサスも上回りました。

それにもかかわらず、決算直後、16%も暴落し、その後も、だらだらと下げ続けました。

ここまで下げた理由ははっきりしませんが、同社はIPOの時から期待を集めており、決算時の株価は$46.4と、IPO価格の$21を大きく上回るものであったこと、GAFAMなどの他のナスダック銘柄の決算が好調であったため、投資家が同社を売却してそれらへ資金を移動した可能性があること、さらに、決算後、ロックアップの解除に伴う売り出しがあったこと、などが下落の理由となったと思われます。

増収増益とはいえ、16%もの下落は損切りしてもおかしくないレベルですが、業績そのものは上場年度から堅調であり、明らかに下げすぎと思うので、ホールド継続します。

ロイヤルティ・ファーマ(RPRX 米ナスダック)

最後はロイヤルティ・ファーマ。こちらも以前に本ブログで紹介しています。製薬会社などのロイヤリティ(特許など)に出資する会社で、2020年の新規上場です。

先ほどのズームインフォテクノロジーズと同様、こちらも決算は増収増益で、かつコンセンサスも上回りましたが、決算後4.5%ほど下げました。

下げの理由ははっきりしませんが、決算時の株価($46.2)がIPO価格の$28より高すぎたためか、他のナスダック銘柄への資金移動のためと思われます。

ただ、新規上場企業であるにもかかわらず、初年度から配当をする旨明言しており、着実に利益を出せる会社ですので、ホールド継続いたします。

総評

まず、銘柄の選定ですが、前年同期比では6勝2敗で、対コロナポートフォリオとしてはまずまず成功ではないかと思います。さらに、ひらまつ(2764)は、個人的な思い入れで買っていた銘柄であり、対コロナポートフォリオには実質的には入らないことを考えると、6勝1敗と言ってもいいかな、とも思えます。

ただ、決算後の株価の方はむしろ下げたものが多かったのは反省材料です。特に、増収増益だったズームインフォテクノロジーズの大きな下げは誤算でした。増収増益でも株価が思惑通り上げるものではないことは理解していたつもりでしたが…株って難しいです。

しかしながら、業績が良い銘柄を売ることもないので、増収増益の銘柄はすべてホールド継続しております。今後の業績、および株価上昇を信じて進捗を見守りたいと考えています。

 

 

 

 

 

 

 

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